赤ワインのブドウ品種を徹底比較!熟成ワイン品種から早飲品種まで!!

ブドウの品種が違えばワインの味も変わってきます。それでは代表的な赤ワインの品種についてみていきましょう!!

  • 「カベルネソーヴィニヨン」初心者は迷ったらこれ!赤ワイン品種の王様
  • 「ピノノワール」年によって味が違う!豊かな香が特徴のブルゴーニュ地方を代表する品種
  • 「メルロー」酸味が苦手な人におすすめ!ワイン独特の渋さが苦手といった人にも飲みやすい
  • 「シラー」長期熟成してこそ魅力が表れる、野性味あふれるパワフルな品種

これら4つの品種の特徴について考察していきます。

カズックス
初心者の方はカベルネソーヴィニヨンかメルローから攻めていくのがオススメです!

品種の説明に入る前に熟成について説明しておこう

まず赤ワインの品種について説明する前に、ワインはどうして熟成させる必要があるのか考えたことはありますか?

熟成させれば味が良くなるから?

まったくもってその通りなんですが、どんなワインでも熟成させれば味が上がるわけではありません。

それはワインに含まれる渋みの原因であるタンニンという成分に秘密があります。 タンニンは味わいや保存性など熟成に大きな影響を与える役割があります。タンニンが多い渋みのあるワインほど保存がきくとされています。

渋みの強い「カベルネソーヴィニヨン」や「シラー」といった品種は長熟傾向にあり、数十年という熟成を経て本来の魅力を発揮してくれます。

一方のブルゴーニュワインで有名な品種である「メルロー」は、長期熟成させて花開くというより早いうちから魅力を発揮してくれるタイプです。

裏を返せば、「カベルネソーヴィニヨン」や「シラー」は若いと渋みが強く飲みにくい。

メルローは若いうちから楽しめるが、年月を経ての変化は少なく長生きしないということです。勿論中には例外的な存在もありますが、両者の違いを覚えておくことで、よりベストなワイン選びができる事でしょう。

 

現代ワインの人気者カベルネソーヴィニヨン!

世界中に数多くあるワイン用のブドウ品種の中でも、カベルネソーヴィニヨンは最も有名な品種です。
フランスはもちろん、世界各国で栽培され様々なワインを生み出しています。

カベルネソーヴィニヨンが躍進のきっかけ

フランスのワインづくりは、長い歴史を誇っています。そんな歴史の中で、カベルネ・ソーヴィニヨンが人気品種となったのは、19世紀後半に入ってから。長い歴史と比較すれば、まだ新人の部類ともいえます。

それまでフランスワインの主役を張っていたのはマルベックやカルムネールといった品種でした。しかし19世紀末にフィロキセラという害虫がフランスに上陸し、次々とブドウの木を枯らしていってしまいます。原因も分からず、試行錯誤が続けられましたが、フランスのワインづくりは壊滅的状況へと追い込まれてしまいました。

研究の結果、害虫が根を食い荒らすことが原因と判明。対処方法として、害虫に耐性のあるアメリカ種のブドウを台木として、接木することで復活を遂げたのです。しかし、かつて主役だった品種は台木との相性が悪く、さらに他の病気にも弱かったために衰退しました。

変わって新時代のニューヒーローとなったのがカベルネソーヴィニヨンだったわけです。

有名なワインの銘柄=カベルネソーヴィニヨン

ワインに詳しくない人でも知っている有名なワインの銘柄。シャトーマルゴー、シャトーラフィット、シャトームートン、シャトーオーブリオン。

ワインマニアならば、人生で一度は楽しみたいと思う、これらの銘柄は全てカベルネソーヴィニヨンを主体としたワインです。

長い熟成をへて乗り越えてより自らの血肉とする。そんな特性を持ったブドウ品種といえるでしょう。

世界中で栽培されている代表銘柄

ボルドーの有名シャトーがメインで使っているとなれば、他のワイン新興国もそれを規範にカベルネソーヴィニヨンを栽培します。

この品種が好む栽培環境は温暖で水はけのよい土壌。降水量が多い場所では熟成がうまくいかず、ピーマンのような匂いのするワインになってしまいます。

ニューワールドの場合、ワインづくりに適した土地を探しブドウの栽培を行ない、さらに灌漑設備も完備しています。自然任せではなく、技術も駆使して最高の状態のカベルネソーヴィニヨンを栽培しています。

そんな背景から人気はフランスを飛び出し、世界で最も多く栽培されるワイン用ブドウの代表格となったのです。

シングルマッチよりもタッグマッチが得意?

これだけ偉大なブドウ品種ですが、意外なことにフランスではカベルネソーヴィニヨン単体でワインをつくることは殆どありません。

先ほど挙げた有名シャトーのワインも、全て他のブドウ品種を混ぜて醸造されています。

その理由は気候風土。フランスではワイン産地といえども冷涼で、日差しも穏やかなものです。そうなるとブドウ由来の圧倒的な果実味を引き出すことが困難となってしまいます。そのため、足りない部分を補完するために、他の品種を使うわけです。

一方で、強い日差しと品種に適した温暖さを持つニューワールドでは、単体で醸造されるケースを多く見かけます。

味の特徴は?

太陽をたっぷり浴びた場合は、カシスやブルーベリーのような味がします。反対に日照不足だと、完熟せずにピーマンのような青臭さが残ります。

両者はバランスの問題で、両方の要素が備わってこそ気品ある味わいのワインとなるのが難しいところです。

ただ一ついえることは、世界中のどの産地のものでも、カベルネソーヴィニヨンはしっかりと美味しいワインに仕上がります。もしワイン選びで迷ったら、カベルネソーヴィニヨンを選べば、大ハズレはないでしょう。

現代赤ワインの主役、カベルネソーヴィニヨンは高級ワインからお手ごろワインまで幅広いレパートリーがあります。
初心者から上級者まで、それぞれの段階に応じて楽しめる懐の深い品種といえるでしょう。

 

 

年によって味が変わる小悪魔!「ピノノワール」

ピノノワールというブドウ品種をご存知でしょうか?

赤ワイン品種としては、カベルネソーヴィニヨンと並ぶ。いや、マニアの間ではそれ以上の知名度があるかもしれない品種です。この品種は一筋縄ではいきません。今回はそんなピノノワールの魅力に迫ってみましょう。

ブルゴーニュワインの代名詞

フランスワインを代表する、二大産地ボルドーとブルゴーニュ。

その片方、ブルゴーニュで栽培されているのがピノノワールです。お酒を飲まない人でも名前くらいは知っているであろうロマネ・コンティもピノノワールからつくられています。

ピノノワールの特徴を語るのは、ブルゴーニュワインの特徴を語ることといわれています。

それはピノノワールの場合、他のブドウ品種と混ぜて醸造されることは無く常にピノノワール100%で醸造されるから。ブルゴーニュ地方にあまたある魅惑の銘酒。それらは全てピノノワールによってのみ構成されたワインなのです。

ピノノワールの特徴

最大の特徴は、グラスに注いだ瞬間にクラクラしそうなくらいに漂ってくる豊か過ぎる芳香です。

この香りだけで、ピノノワールと分かるほどの、衝撃的な差があります。

栽培に向くのは冷涼な気候の土地。反対に温暖な土地では命とも言える香りもなくなって、平均的で凡庸なワインとしかなりません。また石灰質の土壌で栽培した方が、より複雑で多層的な香りになるとされています。

つまり、そんなピノノワールが100%の力を発揮できる環境がブルゴーニュ地方なのです。

ニューワールドの生産者も、懸命にピノノワールを栽培しています。しかし残念ながらフランスを越えるワインは誕生していません。

ピノノワールはブドウの出来によって味が全く変わるりますので、作っている年によって違う味を楽しむことができるのも大きな特徴のひとつです。

より正確に言えば、ブルゴーニュ地方であっても畑の位置や傾斜の違いにより、隣同士の畑でも全く品質の異なるワインになります。針の穴を2つも3つも通すような条件をクリアしてこそ、ピノノワールは我々に真の実力を見せます。そんな気難しさにワインマニアは魅了されるのです。

ブルゴーニュならではの醸造法

ピノノワールは、例えばもう一つの代表的赤ワイン用ブドウ品種のカベルネソーヴィニヨンと比べると、皮の色も薄くタンニンも少ない品種です。

そのためブルゴーニュ地方では古くから、ブドウの房を潰さないでそのまま醸造槽にいれ、自重で果汁を搾る方法がとられてきました。

最初に流れ出た果汁は、再びブドウの上からかけられます。そうするうちに発酵が始まりますが、元の果汁だけでは発酵が終わってしまうので、そのタイミングで少しだけ果実を潰す。また発酵が始まるものの、収まるのでまた果実を潰し発酵を再開させる。こんな方法でブドウから香りと色を引き出す製法が伝統的に採用されています。

重要なのは土地?それとも遺伝子?

偉大なピノノワールのワインはブルゴーニュ以外では残念ながら誕生していません。

他の品種では新興国が最新の技術を導入して、古いしがらみに手足を縛られたフランスワインを超えるものを生み出しているのとは大違いです。

その理由は、先ほど述べたとおり気候や土地に大きな影響を受ける品種だからという点にあります。そのため、一部のワイン評論家の中には「ブルゴーニュと見分けのつかない土地を探す以外、新興国がブルゴーニュを超える方法は無い」という人もいるほどです。

しかし遺伝子科学の発展により、同じピノノワールといえども、フランスと他の国で使われているブドウの遺伝子が異なっていることが判明しました。元々ピノノワールは遺伝子的に不安定なのか、突然変異の起きやすい品種でした。そのため栽培しているうちに変異が起こり、ブルゴーニュのピノノワールとは異なるブドウになっているため、味が再現できなかったわけです。

そのため近年は、ニューワールドの醸造家たちは、優れた遺伝子のピノノワールを導入しワインづくりをしています。そんなワインの中からは、ワイン評論家も一目置くような素晴らしいワインが生み出されています。

ピノノワールの魅力に取り付かれた人々は、まるで熱狂的信者のようにブルゴーニュワインを愛します。そんな一度ハマったら抜け出せない、ピノノワールの魅惑の世界。あなたは足を踏み入れますか?

 

カベルネソーヴィニヨンを支える「メルロー」

縁の下の力持ち。名脇役。そんな表現が似合う赤ワイン用ブドウ品種がメルローです。

しかし、名脇役を務めるためにはしっかりとした実力を持っていなくてはいけません。それの証拠に近年メルローは堂々の主役としても人気となっています。

今回はそんなメルローのシンデレラストーリーを、ご紹介します。

ボルドーワインを支える存在

ボルドーの数あるシャトーは、先ほどもご紹介したとおりカベルネソーヴィニヨンをメインにしてワインをつくっています。しかし単体で醸造することは無く、必ず他の品種と共に醸造し味の足りない部分を補完しています。

そんなカベルネソーヴィニヨンの絶好のパートナーとなっていたのがメルローでした。

メルローが好む土地は、保水性の高い粘土質の土壌。これはカベルネソーヴィニヨンが好む土地とは真反対の存在です。

ボルドーを見ると、丘の上には水はけのよい土地が並び、低地の川沿いには粘土質の土壌が連なっています。つまりボルドーにある2つの土壌を上手に利用するため、特性によりブドウを植え分けていいます。

メルローの味わいは?

メルローはタンニンが少なく、全体的にまろやかな口当たりで優しい味わいが特徴です。ワイン独特の渋さが苦手といった人にも飲みやすく、穏やかなワインといえます。
他の代表的な品種との比較で言えば、

  • カベルネソーヴィニヨンはどんな条件でも結果を残す勢いのあるやり手
  • ピノノワールは気まぐれで、その気難しさに魅力がある小悪魔

メルローは光が当たらない地味な作業でもニコニコしながら、いつでも全力で精一杯に頑張る。そんな健気なタイプです。

メルローが一躍脚光を浴びるきっかけ

長いこと、圧倒的主役であるカベルネソーヴィニヨンの引き立て役であったメルロー。

しかし、あることをきっかけに一躍注目を集め主役の座に躍り出ました。それがシャトー・ペトリュスの登場です。シャトー・ペトリュスとは、ポムロール地方のシャトーです。
畑の面積が狭く生産本数も少ないため、世界でも最も高価なワインの一つとされています。

ペトリュスとメルローのシンデレラストーリー

シャトー・ペトリュスが初めて注目されたのは1889年のパリ博覧会でした。ここで数々の銘柄を差し置いて金賞を受賞しました。ただこの時点では、ごく一部のマニアから注目された程度で全く飛躍のきっかけにはなりません。

飛躍の時が来たのは第二次世界大戦後。オーナー自ら「ペトリュスこそ最高のワイン」と信じて必死のマーケティングを行なったのです。

ただオーナーは他のボルドーの一流シャトーと同じ価格での取引を求めたため、フランスのワイン商は相手にしませんでした。それでも情熱に負けた商人が支援。販路を広げていきます。さらにニューヨークのセレブが集まるレストラン「ル・パヴィヨン」のオーナーもペトリュスに惚れ込み、来店するセレブたちにすすめました。

そのうちに、アメリカの上流階級ではペトリュスを飲むことが、成功の証し。もしくはステイタスシンボルとなり、ペトリュスの名前は爆発的に拡大したのです。それと同時にメルローにも注目が集まり、脇役でしかなかったメルローが一気に主役級の扱いをされるようになりました。

世界に広がったメルロー

現在メルローは世界各国で栽培される品種の一つとなっています。

例えばカリフォルニアでは、90年代以降栽培面積は爆発的に拡大し、人気も上昇しています。カリフォルニア産のメルローの特徴はとにかく分かりやすく美味しいという点。背筋を伸ばし緊張感の中で飲むのではなく、笑顔で杯を重ねるのに最適です。

また栽培条件が合っている事から、日本でも最近は注目を集め次々と優れたワインが生み出されています。

 

血の気の多い食べ物と相性良し!シラーを学ぶ!

大器晩成な人がいるように、ワインの世界にもそんなブドウ品種があります。

ワインに詳しくない人にとっては初耳かもしれませんが、ワイン好きに取っては欠かせない存在。

同じ品種なのに、何故か国が変われば呼び名も微妙に変わる。そんなブドウ品種シラーの魅力に迫っていきましょう。

シラーの特徴は?

シラーの持つ味わいの特徴で、多くの人が真っ先に挙げるのが野性味あふれるパワフルさです。ワイン自体の色も、赤というよりも濃紫やともすれば黒と表現できるような濃厚さがあります。

とにかく、リッチで力強い。それがシラーの特徴です。

熟成させないと実力を発揮しない

シラーの産地で代表的なのが、フランスのコート・デュ・ローヌ地方です。

そのなかでもエルミタージュ、コートロティ、コルナスの3つの地域が良質のワインを生み出すことで知られています。

ただ、いずれの産地のワインも最低10年は熟成させないと実力を発揮してくれません。より贅沢を言うならば20年を経てやっと飲み頃を迎えます。

もちろん若い状態で楽しむのも悪くは無いですが、あまりに力強すぎて飲んでいて疲れてしまうでしょう。

人間に例えるならば、若い頃は尖りすぎていて、近寄りがたく一緒にいるとこちらが疲れてしまうような存在です。ただ歳を重ねるうちに落ち着き、人間味が出てきて、魅力が前面に出てくるそんなタイプといえるでしょう。

産地により味が変わる

シラーのもう一つの産地がオーストラリアです。通常シラーと呼ばれる品種ですが、何故かオーストラリアでは同じものをシラーズと呼んでいます。

オーストラリアはシラーズの栽培に適した気候であったため、栽培面積も拡大し、現在では全体の3分の1を占めるまでになっています。

味の面で言えば、オーストラリアのシラーズは渋みは殆どありません。これは発酵の途中でタンニンを含む皮とタネを除去して発酵を行なうため。

ただ栽培時点で厳密な水分調整を行ない、味の凝縮したブドウを作っているため、決して味が薄いとか間延びしているという事はありません。

香りもスパイシーさは影を完全に潜め、甘くフルーティーなものとなります。全く同じブドウ品種であっても、生育環境や醸造方法が異なれば、完成したワインの性格も大きく異なってくるのです。

最低2つの産地のものを味わい、自分の好きな方向性を見つけよう

ウイスキーの世界ではウッドフィニッシュという言葉があるように熟成に使う樽は、お酒の風味を決定付ける大きな要素となります。

当然ワインにとってもそれは同じこと。

ローヌのワインはフレンチオークの樽を使い熟成をしています。一方のオーストラリアのものは、アメリカンオーク樽を使用しています。アメリカンオークの特徴は、ココナッツやキャラメルのようなどこかミルキーな感覚の風味を与えること。

使用するブドウ品種が同じでも、やはり樽が違えば完成品は全く異なったものになります。

ですので、どちらか一方の産地を飲んで、シラーの全てを理解した気になってはいけません。最低2つの産地のものを味わい、自分の好きな方向性を見つけるのが正解といえるでしょう。

肉料理との相性抜群!

フランス産だろうとオーストラリア産だろうと、シラーを使ったワインは血との相性が抜群なことで知られています。

代表格となるのが、秋の狩猟解禁を待って楽しまれるジビエです。家禽とは異なり、野性の中で生き延びてきた動物を楽しむのがジビエですが、使用される食材は、当然飼いならされた大人しい味ではなく、血の気の多い、クセの強い味わいとなります。

そんなクセのある肉とシラーを合わせると、不思議なことにとんでもない相性のよさを見せてくれます。
もっと手軽にというならば、レバーとの相性も抜群です。プルプルな状態に焼き上げたレバーをシラーと一緒に楽しむなんていうのは、卒倒してしまいそうな充実感を感じられるでしょう。

フランス産のシラーを使ったワインは、お値段もそこそこしますし、なかなか手軽には購入できないかもしれません。
しかしオーストラリア産となれば、お手ごろ価格で入手できます。まずはオーストラリアから入り、いずれは本国フランスを楽しむ。そんな作戦でシラーの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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