BARをがけで支えるグラスと氷

BARの主役と言えばバーテンダーや数々のお酒です。
しかしどんな舞台も、主役だけで成立するものではありません。
そこには主役を引き立てる脇役、さらに主役を着飾る衣装も必要です。
BARにおいてそんな役割を担っているのが氷とグラス。
今回は、BARにおける氷とグラスに注目してみましょう。

1.ウイスキー用グラスの変遷

BARで使用されるグラスは、時代によって大きく変化しています。
かつてはウイスキーをストレートで注文すると、ショットグラスが使われるケースが殆どでした。
しかし現代では、より香りを楽しめるチューリップ型のノージンググラスを使うケースが殆どです。
これは、より複雑な香りを楽しみたいという傾向が強くなった結果だと思われます。
もちろん現在でも、ショットグラスは多くの店で揃えられています。
気になる場合は、バーテンダーにお願いすれば、快くショットグラスで飲ませてくれるでしょう。

2.タンブラーグラスも変化

水割りやソーダ割り、ジントニックなどに使われるタンブラーも時代により変化しています。
かつてはやや厚手の多少乱暴に扱っても大丈夫な、耐久性重視のタンブラーが殆どでした。
しかしここ数年来は、ガラスを極限まで薄くした「うすはり」と呼ばれるグラスを採用するお店が急増しています。
お店でこれらの新しいグラスを知り、自宅用に購入する人もでてくるなど、人気拡大の一翼をBARが担っているケースといえます。

3.アンティークグラス
お店によっては高価な高級ブランド製のものや、美しい装飾が施されたアンティークグラスを使っているところもあります。
見た目にも美しいグラスで飲むお酒は、一層カウンターのライトに照らされ輝きを見せてくれます。
いつもと同じウイスキーやカクテルも、一段と表情を変えてくれるはず。
グラスによって味が変わる体験を、実に分かりやすくできるのがこれらのグラスです。

4.乾杯には要注意

お酒を飲む前には、グラス同士を音を立てて合わせて乾杯をしないと始まらないと思っている方もいるかもしれません。
もちろんにぎやかなムードを盛り上げるにはいいかもしれませんが、BARでは控えましょう、。
これまで説明したとおり、BARでは非常に繊細なグラスや高級なグラスを使っています。
そんなグラスで音を立てて乾杯すれば、最悪の場合割ってしまうことになりかねません。
一点物の貴重なグラスを失うだけでなく、せっかくの雰囲気をぶち壊しにしてしまいます。
BARや高級レストランでは、乾杯はグラスを目線の高さにあげるようにするのがマナーです。

5.純氷こそ味の秘密

BARにとって氷はなくてはならない存在です。
ロックやハイボール、カクテルとありとあらゆる場面で氷は使われます。しかもお酒の中で溶け、味の一部となるのです。
BARで使われる氷は、専門の業者により作られた純氷とよばれるもの。
純氷は不純物を取り除いた水を、48時間以上の時間をかけてゆっくりと対流させながら凍らせたものです。
透明なだけでなく、溶けにくいのが特徴です。
BARの場合、製氷業者から届けられた氷は、すぐに使うわけではありません。
届いた氷は一度、表面に汗をかくくらいに緩ませてからカットを始めます。
さらにロックに最適な丸氷から、シェイカーに入るサイズまで綺麗に切り分けたら再び冷凍して締める。
こんな工程を繰り返し、数日かけてお客さんの前に氷は登場しているのです。

6.家飲みの氷を美味しくする方法

純氷は業者だけでなく、スーパーやコンビニでも販売しています。
大きな板氷でも売っていますが、それを素人がカットしたり削ったりするのはかなり難しいでしょう。
なので適度な大きさに割られた「かち割り氷」を購入するのが現実的です。
その際も購入してすぐ使うよりは、ほんの少し表面が溶けるくらいまで待ちましょう。
冷凍庫の中で保存されていると、どうしても表面に余計な霜がつきます。それを溶かした方が味がアップします。
待てない場合は、ザルに開けて流水で手早く洗ってもOKです。

BARでお酒を引き立てるグラスと氷は、普段はあまり気づきませんが味を決めるのに実は大きな役割を果たしています。
それを理解して飲めば、BARをより一層楽しめるはずです。

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