ベルギービールの特徴と歴史

ビール

ビールで有名な国というと、多くの方がドイツを思い浮かべることでしょう。
確かにドイツは「ビール純粋令」があったり、オクトーバーフェストのようなビールの祭典があったりとビール大国です。
しかしベルギーだって、ビールに関しては決して負けないくらいの大国です。
そこで、今回はそんなベルギービールの特色や歴史について、紹介したいと思います。

1.様々な地平線を目指すベルギービール


ドイツのビール作りは「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする」という「ビール純粋令」に基づいたものになっており、その制約の中で醸造所が研鑽し、さらなる高みを目指しています。
一方でベルギービールは様々な副原料を使い、豊かなフレーバーをつけることで、醸造所や醸造家が思い描く様々なビールの可能性を追求しているのが最大の特徴。
この関係性はワインで例えるならば、長い歴史を持つあまり様々な規制が存在し自然を受け入れるしかないフランスワインと、最新の技術とアイディアを取り込み、生産者が目指す高品質のワインを生み出すカリフォルニアワインに似ているともされています。
もちろんどちらが正しいというわけではなく、どちらも正解であり、ビール愛飲家にとっては、選択肢が増えるうれしい結果を生み出してくれているのです。

2.修道院が広めたベルギービール


ベルギーには現在500を超える醸造所があり、様々なビールを生産しています。
そんなベルギーですが、最初にビールを作るきっかけとなったのは修道士たちでした。
中世ヨーロッパでは、戦乱や疫病・飢餓などで多くの方が亡くなりましたが、ベルギーでは少しでも命を落とす農民を減らそうと修道院が農民たちに、自家製発酵飲料つまり自家製ビールの作り方を教え、栄養衛生状態の改善に腐心ました。
これがきっかけとなり、ベルギー各地でビール作りが盛んになり、現在のビール大国への道を歩むこととなったのです。

3.修道院産のトラピストビール


修道士たちにより広まったベルギービールですが、現在も修道院で醸造されているビールは存在し「トラピストビール」という名称で愛されています。
ただ、修道院で作れば全てトラピストビールかといえばそうではなく、名乗るためには厳格な規定があり、ベルギー国内では6つの修道院(醸造所)しか名称の利用を許可されていません。
日本でも有名なところでは「シメイ」や「オルヴァル」といった銘柄のビールが流通しており、大手のスーパーや酒販店で比較的入手しやすい銘柄となっています。

4.ビールの固定観念を超えるビール


様々なテイストのビールが製造されているベルギー。
一般的にイメージする苦味のあるビールだけでなく、フルーツの香りがしたり、スパイスの香りがしたりと「これがビールなの?」と驚くようなテイストのビールも数多く存在しています。
ビール特有の風味を生み出すホップはドイツやチェコで数多く生産されるのですが、かつてホップを簡単に入手できなかったベルギーでは、風味付けにホップではなく入手しやすい柑橘類やスパイスなどを使ったのが、現在のような様々な味のビールを生み出す土壌へとつながりました。
これらのテイストのビールは、苦さが嫌いでビールを敬遠している人にも受け入れられやすく、ビールへの偏見を払拭するのにも貢献する存在です。

5.グラスだって個性的


味わいが個性的なベルギービールですが、それを製造するメーカーが、自社のビールを美味しく飲むのに最適な公式グラスを出しているのも、ベルギービールの特徴のひとつです。
ビールの味わいやアルコール度数、香りなど様々な要素を最も堪能できるようにと作り上げられたグラスは、それぞれが個性的で美しく、見ているだけでも楽しくなるような造形のため、グラスだけをコレクションし続けるマニアも存在するほどとなっています。

日本では徐々にその存在が知られてきたとはいえ、まだまだ一般的な存在ではないベルギービール。
しかし、その世界は実に多種多様でビールを飲むたびに新たな発見と驚きを生み出してくれます。
最近は世界各国のビールを取り揃えるお店も増えてきましたので、ぜひ一度ベルギービールの世界を覗いてみてはいかがでしょうか?

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