2000年代後半のハイボールブームで拡大した日本のウイスキー人気はすでに定着した感があります。
ウイスキーは原材料に大麦などの穀物を使用し、樽を使って熟成させた蒸留酒のことを指します。
ですので例えば麦焼酎は原材料が穀物ですが、樽熟成をさせていないためウイスキーと名乗ることは出来ません。
また各国でウイスキーを蒸留する際のアルコール度数や、使用可能な穀物、さらには熟成年数なども規定されています。ちなみに、ウイスキーという呼び名は元々ゲール語で「命の水」を意味する言葉が時代とともに転じて定着したものです。
度数の強いウイスキーは、入り方を間違えると二度と飲みたくないお酒になります。だからこそ最初は飲みやすいハイボールなどから入り、最終的にストレートにたどり着くのがよいでしょう。
ぜひとも参考にして、自身のウイスキーの世界を広げていってください!
最初はクセの無いものから飲んでみよう!
ウイスキーと一口に言っても、世界中に様々なウイスキーがあります。
どれがオススメと断定するのはなかなか難しいものです。ウイスキーはなるべくクセの無いものから入り、ある程度慣れたらクセのあるものを飲むのがおススメです。

最初からクセのあるアイラモルトを飲んでしまえば、殆どの人が二度とウイスキーを飲もうとは思わなくなってしまいます。初心者の方にはクセのないスペイサイドモルトなどがオススメです。
ウイスキーの飲み方5選
ウイスキーを買ってきて、みなさんはどんな飲み方をしていますか?
指南本やウイスキー上級者を自称する人の中には「ウイスキーはストレートかロックで飲むべきもの」と主張する人もいます。確かに熟成年数の長いものに関しては、ロックでももったいないくらいで、ストレートで楽しむのがよいかもしれません。
- ロック:氷が入ったグラスにウイスキーを入れて飲む
- ストレート:常温で氷なしで飲む。
しかし、普段自宅やBARで飲む程度のノンヴィンテージや十数年程度の熟成年数のものならば、そこまでこだわる必要は無いでしょう。

ウイスキーを飲みなれてない場合、ストレートでのアルコールの刺激は強すぎて味や香りを楽しむ以前の問題となります。慣れるまでは、飲みやすく香りも立ちやすいソーダ割り。つまりハイボールにして楽しむとよいのではないでしょうか?
そこでウイスキーの味を何となく把握したら、今度は冷えて飲みやすくなるロックへ。ロックの最初の一口が難なく飲めるようになれば、ストレートへ。そんな変遷がオススメです。
ウイスキーはあくまで楽しむものです。
自分が一番飲みやすく美味しいと思う飲み方を、その時の気分で選ぶのがベストです。
ウイスキーの本来の味が楽しめる『ストレート』
ウイスキーに何も加えることなく、そのまま飲むシンプルな飲み方です。
グラスを鼻に近づけ香りを楽しんでから、口の中を湿らせる程度の量を含んで、噛むようにして口全体にいきわたらせて飲み込む…というのが、一般的な手順です。
香りを楽しむといっても最初はアルコールの刺激しか感じないですが、何回か鼻に近づけるうちに慣れて、その奥に隠れた様々な香りが分かってきます。
一口終わるごとにチェイサーを飲んで口の中をリセットさせます。チェイサーは水が一般的ですが、炭酸水を頼む人もいたりします。
香りと味をそのまま楽しめる基本の飲み方ですが、ウイスキーは強いお酒のため飲みなれないうちは、アルコールの刺激で口や喉が焼けるような感覚になります。アルコールが弱い方には味や香りどころではなく、少々ハードルが高いかもしれません。
氷をグラスに入れて飲む『ロック』 ストレートより飲みやすいけど風味が落ちる
氷をグラスに入れてそこにウイスキーを注ぐ飲む方法です。
焼酎などでもお馴染みなのでご存知の方も多いでしょう。氷はグラスにピッタリなサイズの大きなものを一つだけでもいいですし、手ごろな大きさの氷をいくつか組み合わせてでもOKですが、出来れば美味しい氷を使いたいところです。自宅の冷蔵庫で作った氷ではなく、不純物が含まれていないコンビニやスーパで販売されている市販の氷を利用したほう美味しくなります。
最初の一口目はほぼストレートですが、時間とともにウイスキーが冷やされるのはもちろん、氷も溶け出してアルコール度数も下がり味も変化しますので、どんどん飲みやすくなります。
ただ香りというのは冷やされることで閉じてしまいます。香りが魅力のシングルモルトをロックで飲むと、せっかくの魅力を楽しめないことになります。
そういう意味で、本場スコットランドではロックで飲む人が最も軽蔑されるなんて話もあります。
ちなみにクラッシュアイスをグラスに詰めて、そこにウイスキーを注ぐ飲み方もありますが、こちらは「ミストスタイル」と呼ばれています。
飲みやすさは最強「ソーダ割(ハイボール)」
日本でもハイボールブームのお陰ですっかり定着した飲み方です。方法は簡単でウイスキーを炭酸水で割るだけというシンプルなもの。
割る比率はお好みですが、ウイスキー1に炭酸水3の割合が一般的です。
アルコール度数が下がり飲みやすくなるだけでなく、炭酸の効果で香りがより一層立ち上がり感じやすくなります。
バランスの取れたものよりは、少し個性の強いウイスキーの方がソーダ割には向いています。まずソーダ割で色々なウイスキーの味を覚えたという人も少なくありませんので、入門としては最適な飲み方です。
いつでも気軽にできる「水割り」
日本でよく飲まれる水割りは、ソーダ割の炭酸水をガス無しの水に変えた飲み方です。
「水割りは日本独自の飲み方」と言われることもありますが、本場スコットランドでもウイスキーを水で割って飲むのは一般的です。
ただ、日本のように氷を入れて1対3くらいの割合で水を加えるというのは殆どなく、そういう意味では我々が良く知る水割りは「日本式」といっていいでしょう。
ウイスキーと常温の水を1:1で割る「トゥワイスアップ」
ウイスキーと常温の水を1:1の割合で混ぜる飲み方です。水割りとまとめて紹介しようと思ったのですが、日本の水割りと区別するためにタイトルを分けました。
ウイスキーは加水することで香りが開くため、最も香りを楽しめる飲み方とされ、ブレンダーもこの飲み方でウイスキーの状態を確認しています。
先ほどスコットランドでも水で割って飲むと説明しましたが、ほぼトゥワイスアップ程度の加水と思って問題ありません。
加水することで香りが変化する効果を狙い、ストレートで注文して加水用の水をつけてもらい、一口ごとに加水して変化を楽しむ上級者もいます。この方法は度数を自分でコントロールできるので実は初心者にもオススメです。
ウイスキーの飲み方で代表的なものを5つ紹介してみました。
ウイスキーは嗜好品ですので、どの飲み方が正式とか正解ということはなく、自分がその時飲みたい飲み方が正解といえます。
まずは飲みやすい飲み方でウイスキーの味に慣れたら、少しずつ他の飲み方にも挑戦して、自分に合った飲み方を探すなんていうのも楽しいのではないでしょうか?
世界5大ウイスキーとは?
世界中でつくられているウイスキーですが、5大産地と呼ばれている場所があります。
それはスコットランド・アイルランド・アメリカ・カナダ・日本の5か国です。
もちろん、これ以外の国でもウイスキーは生産されていますが、生産量や味わいなどの国際的評価が高いこの5つの国のウイスキーは世界中で愛されています。
日本のウイスキーづくりは、20世紀に入ってからと歴史は他の国に比べると浅いのですが、ブラインドテイスティングで行なわれる国際的品評会でも高い評価を得るなど注目を集めています。
今回ご紹介したことはウイスキーの広い世界の入り口に過ぎません。もちろん何も知らずに飲んでもウイスキーは美味しいですが、少しの情報や知識があるだけで、もっとウイスキーは楽しくなりますよ!