「ウイスキーの銘柄数が多すぎてどれを飲んだらいいのかわからない!」
そんな声が聞こえてくるほどウイスキーの銘柄は多種多様。ウイスキーに興味を持っても、あまりに銘柄が多すぎてどこから飲み始めればいいか迷ってしまいます。
そこで今回は、ウイスキーの世界を知る事が出来る、最初に飲むのにオススメな6本をセレクトしてみました。

ウイスキーには年数表記がありますが、指定してしまうと入り口を狭めてしまう可能性があるので、今回は年数の指定はなく銘柄のみを挙げています。
初心者でも飲みやすいオススメのスコッチ・ウイスキー3選
ウイスキーの聖地スコットランド
蒸留所ごとに個性があり、多種多様な風味がある
ウイスキーづくりが、どこからスタートしたのか。つまりウイスキーの元祖はどこかという問題については、アイルランドとスコットランドが双方自分たちが起源であると主張しています。
ただ通説としては、大陸で発明された蒸留技術がアイルランドに伝わり、そこからスコットランドに技術が広まったという伝播拡大ルートとされています。
数多くの蒸留所があり、個性あふれるウイスキーを送り出しているスコットランド。
スコットランドで生産されたウイスキーはスコッチ・ウイスキーと呼ばれます。スコッチの呼び名で世界中で飲まれていますが、元々は政府の目を逃れて生産された密造酒でした。
スコットランドでは古くから人々の間で、ウイスキーがつくられていましたが、17世紀に入ると政府から酒税がかけられるようになってしまいました。
そこで人々は酒税から逃れようと、山奥や谷沿いなど人里離れた場所に蒸留所を建設し、ウイスキーをこっそりとつくり続けました。
密造酒と聞くと、なんだか厄介なイメージですが、実はこの当時飲まれていたウイスキーは、琥珀色ではなく無色透明のものでした。
人里離れた場所で密造したため、保管のために空き樽に詰め隠していたのですが、その結果樽の中で熟成が進み、透明だったウイスキーに色がつき、琥珀色のウイスキーに進化を遂げたのです。
もし、密造酒時代がなければ現在もウイスキーは透明だったかもしれませんし、ウイスキー特有のあの香りもなかったことでしょう
それではそんなスコットランドのウイスキーから魅惑の3本を紹介していきます。

癖が強すぎるウイスキーは選考から外しています。初心者にもの見やすいウイスキーを選別しました!
歴史ある『ザ・グレンリベット』
まずはスコッチの中から、ザ・グレンリベットを挙げましょう。
こちらは密造酒だった時代を経て、政府公認蒸留所の第一号となった記念碑的な蒸留所です。
「花束を抱えているような香り」と表現される、豊かな香りが特徴で南国のフルーツやお花畑の香りがするという人もいます。
バーボン樽の使用比率が高いため、バニラのような甘さもあり、ストレートはもちろんソーダで割っても美味しく飲めてしまう一本です。
ウイスキーファンから高い評価を受けている『ザ・マッカラン』
ウイスキーに詳しくない人でも、その名を聞いたことがあるかもしれないほどの有名なスコッチの代表格です。
ハロッズが出しているウイスキー読本の中で「シングルモルトのロールスロイス」と賞賛を受けたこともあるように、とにかくウイスキーファンはもちろん、ブレンダーなどからも圧倒的に高い評価を受けまくっています。
シェリー樽熟成をさせているため、ウイスキーの色合いは赤褐色でかなり濃く、樽由来のこってりした甘さがあります。
さらに滑らかな球体を思わせるような、バランスのよさも特徴です。
アイラモルトを初めて体験したい人には『ボウモア』
スコッチの中でもアイラ島で生み出されるものは、ピート香が強くクセがあるのが特徴です。そんなアイラモルトの中から、ボウモアを選びました。
ボウモアはアイラモルトの中でも中間的な味わいとされており、初めて体験するアイラモルトとしては最適な一本です。
これで気に入れば、さらにクセの強いアイラモルトに挑戦するといった流れが良いでしょう。
香りやバニラフレーバーが魅力のバーボンからはこの1本
~バーボン~
豊かな香りが特徴のウイスキー
バーボンは主にアメリカのケンタッキー州で作られている、トウモロコシなどの穀物を原材料としたウイスキーのことです。
法律により使用可能な原材料や、蒸留時とボトリング時のアルコール度数など細かな規定があり、これをクリアしないとバーボンとは名乗れません。
熟成に使用する樽も新樽を使うことと規定されており、さらにその樽はしっかりと内部を焦がす工程を経なくてはなりません。
この影響で樽由来のウッディーな香りやバニラフレーバーが豊かなのも特徴となっています。
バーボンの基準となる味『ワイルドターキー』
バーボンの中からは一本、ワイルドターキーを選びました。
創業当時から続く伝統の製造方法で生み出されるのは、穀物の芳醇な香りと力強さのバランスがとれた味わいです。
バーボンにも様々な味わいがありますが、まずはバーボンの基準となる味を知るには最適な一本です。
日本のウイスキーの特徴とウイスキー2選
日本人向けに作られたウイスキー
日本のウイスキーづくりは、スコッチを手本としたものです。
ただ大きく違うのは、スコットランドとは違い国内に蒸留所の数が少ないこと。スコットランドでは、様々な蒸留所の個性あふれるモルトウイスキーを集めブレンドして、多様な味わいのウイスキーを生み出しています。
一方で蒸留所が少なくメーカー同士の交流がほぼない日本では、自社内で多種多様な原酒を作り出しブレンドてます。日本のメーカだけあり、日本の消費者に合うよう味の構成を調節しています。
山崎
ここ数年ブームとなっているジャパニーズウイスキーの中から、サントリーの山崎を選びました。山崎蒸留所は日本で最初の蒸留所として知られ、戦争中も火を絶やすことなくウイスキーをつくり続けてきました。
サントリーは「日本人の味覚にあったウイスキー」をつくることを基本姿勢としており、この山崎はその精神を凝縮した一本です。
そのためストレートはもちろんですが、ロック・ハイボール・水割りと、想定されるあらゆる飲み方で飲んでも実力を発揮してくれます。
竹鶴
最後はもう一本ジャパニーズウイスキーからニッカウヰスキーの竹鶴を選びました。
2014~2015年にかけて、朝ドラで竹鶴政孝の人生を描いた「マッサン」が放送されました。マッサンこと竹鶴政孝が創業したニッカは、ドラマでマッサンが夢見たとおり、現在でもあくまで本場のスコッチを目指したウイスキーづくりをしています。
余市蒸留所ではピート香がしっかりとしたパワフルなウイスキーをつくり、もう一つの宮城峡蒸留所では、柔和な感じのするスムースなウイスキーをつくっています。
そんな2つの個性が異なる蒸留所のモルトを合わせたのが、創業者の名前を冠した竹鶴です。
ちなみにグレーンウイスキーは使用していないので、ブレンデッドウイスキーではなくヴァッティングという形になります。ニッカでは「ピュアモルト」と表現し、ブレンデッドウイスキーとの区別をしていました。
ウイスキーに興味を持った方にオススメな6本を挙げてみましたが、もちろん必ずこの6本から飲まなくてはならないというわけではありません。
ただこの6本はBARなどに行けば、必ず揃えてある有名な銘柄ですので、ぜひ機会があれば試してみてはいかがでしょうか?