
最近はコンビニでも1000円前後でワインを気軽に買えるようになったね

コンビニのワインはリーズナブルですし、毎日飲むデイリーワインとしては十分に満足できる品質ですよ
いまやスーパーや酒販店は勿論、コンビニでも様々なワインを扱うようになりました。
値段もリーズナブルで、1000円程度からワンコインでお釣りがくるなんてものまで幅広く取り揃えられています。
「ワインは高級で薀蓄を語りながら飲むもの」そんな時代を経て、日常のお酒としてワインが定着したことの証明です。
そんな手ごろなお値段のワインの主役が、ニューワールドと呼ばれる産地のワインです。リーズナブルなのにしっかり美味しいニューワールドワインの秘密と魅力に迫ります。

安くて美味しい『ニューワールドワイン』ってそもそもなに?
ニューワールドとはワイン新興国でつくられたワインや、生産国自体をさす言葉です。
反対にワインづくりの歴史があり、高い名声を得ているフランス・イタリア・ドイツ・スペイン等はオールドワールドとも呼ばれています。
具体的に言えば、新大陸に位置する北米や南米。オセアニア地域。日本もニューワールドのカテゴリーに入ります。
欧州などで発展したワインづくりが、大航海時代を経て新大陸に伝播し発展したことから生まれた概念とも位置づけられるでしょう。
デイリーワインとも呼ばれるお手頃ワインの魅力
言葉の明確な定義付けはありませんが、多くの場合毎日の生活でも値段の心配をせずに飲める、手ごろなお値段のワインをデイリーワインとも言います。
値段的には1000円前後まで。勿論値段だけでなく値段以上の満足感を与えてくれるクオリティも持ち合わせる必要があります。
それらを兼ね備えた存在は、チリやアルゼンチン、アメリカ、オーストラリアなどニューワールドのものが中心です。
ただスペインのワインも、低価格高品質な場合が多くデイリーワインとして活躍してくれます。
ニューワールドとオールドワールドのブドウ栽培の違い
ニューワールドのワインづくりの特徴は、何と言ってもブドウ栽培の最新技術を導入しているということです。
フランスワインは長い歴史があり、世界的評価も最高峰の地です。
ただどんな世界も同じですが、伝統があればそこに様々なしがらみや規制も生まれます。
例えばフランスでは、栽培するブドウ品種は地区ごとに細かく規定があり、それ以外の品種を栽培することは許されません。また、どんなに日照りが続き、目の前のブドウが枯れそうでも、一滴の水も与えてはならないといった規制もあります。
つまりフランスワインは、その年の自然を詰め込んだワインを生産するのを目的としているともいえます。そして、それこそがオールドワインの魅力でもあります。
一方でニューワールドにはそんな規制はありません。
最初の調査でワインづくりに適した土地を選び、ワインづくりがスタートしていますが、さらに灌漑設備を充実させます。
ワインづくりにとって最適となる水分量をコントロールして、ブドウにとって最上の環境を作ることが可能となるわけです。
ですのでフランスワインは当たり年や外れ年という概念がありますが、ニューワールドには年によって大外れというリスクはさほどありません。
安いワインで使われるブドウ品種は?
安いワインでも多くの場合、フランス等の国で既に評価を得ているブドウ品種を使用します。
- 赤ワインなら現代の主流ともいえるカベルネソーヴィニヨンやピノノワール。
- 白ならばシャルドネやリースリングなどが、多くの国で栽培されています。
もちろんこれ以外にも、アメリカのジンファンデルや日本の甲州など、その土地ならではの品種も存在し個性を発揮しています。
一般的な傾向としてニューワールドの産出国は、日照時間が豊富な地域に位置しています。
そのため同じ品種でも完成したワインは、完熟味のある濃厚さやパワフルさを持ち合わせた味に仕上がるケースが多いのも特徴です。
ニューワールドワインがお手ごろ価格の秘密
ニューワールドワインは、お手ごろ価格なのが特徴のひとつです。
なかでもチリやアルゼンチンなどの南米諸国のワインは、ワンコインを下回る価格のものも少なくありません。
「安い=味も悪いと」いうイメージを持つかもしれませんが、安さの秘密は品質の悪さとは一切関係ありません。
要因のひとつは物価の差。他のワイン生産諸国と比べて南米諸国は圧倒的に物価が安いのが特徴です。しかも人件費も安いため、そもそものワインづくりにかかるコストが大きく違ってきます。
また、チリワインに関しては日本とチリとのEPA(経済連携協定)の影響も見逃せません。2009年のEPAの発効によりチリワインにかけられる関税は段階的に引き下げられ、2019年には関税がかからなくなりました。
元々安かったチリワインですが、そこにかかっていた関税までもが低くなるわけですから、お手ごろ価格になるのも納得です。
ちなみにチリワインは日本への国別ワイン輸入量で、イタリアを抜き2位になるなど日本国内での躍進が目覚しく注目の的です。
ニューワールドのワインは、自由な発想で多種多様なチャレンジをして生み出されたものです。
値段が安いからといって味が劣るというわけではなく、コストパフォーマンスで考えれば、信じられないような品質のものもあります。
毎日飲むデイリーワインとしても、特別な日に選ぶ一本としても、どちらでも満足できるワインを生産しているのがニューワールドと言えるでしょう。
安価なワインは新鮮さが命!ワインセラーで何年熟成させても大きな変化がない
ワインと言えば熟成の妙を感じるのも魅力の一つですが、それは一部の高級品にのみ許された特権です。
デイリーワインの場合は、仮にワインセラーで何年か熟成させても、驚くべき変化は起きません。それはワインの栓がコルクではなく、スクリューキャップであるのをみてもわかります。
デイリーワインは小難しい薀蓄ではなく、フレッシュさを楽しみ、気軽に飲むのが最良の作法です。
安いワインは飲み方も自由に楽しめる!カクテルで飲んでみるのも最高!
手ごろな価格のデイリーワインだからこそ出来る飲み方もあります。
たとえばグラス。
勿論ワイングラスを使って飲んでもいいですが、なければ普通のタンブラーグラスだってかまいません。
さらに炭酸で割って飲んでも香りもよくアルコール度数も低くなりグビグビ飲めてしまいます。
白ワインの炭酸割りは「スプリッツァー」というカクテルですが、赤ワインだって炭酸で割っても構いません。
毎日飲むワインです。自分が飲みたい飲み方を試し、お気に入りを発見するのも楽しさの一つです。
デイリーワインに合うお手軽おつまみ
コンビニにはワイン以外にもたくさんの食品が売られています。
その中からお好みのものを選んでデイリーワインと楽しむなんてのは、究極のコンビニワイン活用法です。
最近のコンビニはお惣菜類が充実しています。それらをそのままおつまみにするのは定番中の定番。
また、数年前に大ブームとなったサラダ用のチキンも素晴らしいお供になってくれます。
裂いてマヨネーズや柚子胡椒などの薬味をつけて食べるだけで、立派なおつまみに大変身。またお皿に移してチーズを乗せ、電子レンジでチーズが溶けるまで待っても、ワインにピッタリな一皿になります。
チキンを使った料理の場合、白ワインの方が相性的にはよいというのが定石です。でもデイリーワインの場合、赤ワインでもそれほど濃厚重厚なフルボディのものはありません。そのため赤ワインを合わせてもちゃんと楽しめてしまいます。
デイリーワインは、肩肘張らずに自由に飲むのが重要です。
毎日の晩酌でビールやハイボールを飲むのに、緊張する人はいませんよね?それと同じです。
日々の中で手ごろなワインを飲むからこそ、ここぞという時に飲む高級ワインの奥深さにも気づけるのです。
さあ、近所のお店で手ごろなワインを買って、家飲みを楽しんでみませんか?