名脇役!そんな表現が似合う赤ワイン用ブドウ品種メルロー

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縁の下の力持ち。名脇役。そんな表現が似合う赤ワイン用ブドウ品種がメルローです。

しかし、名脇役を務めるためにはしっかりとした実力を持っていなくてはいけません。それが証拠に、近年メルローは堂々の主役としても人気となっています。

今回はそんなメルローのシンデレラストーリーを、ご紹介します。

ボルドーワインを支える存在

ボルドーの数あるシャトーは、世界的なブドウ品種カベルネソーヴィニヨンをメインにしてワインをつくっています。しかし単体で醸造することは無く、必ず他の品種と共に醸造し、味の足りない部分を補完。より多層的な味と香りを実現しています。そんなカベルネソーヴィニヨンの絶好のパートナーとなっていたのがメルローでした。

メルローが好む土地は、保水性の高い粘土質の土壌。これはカベルネソーヴィニヨンが好む土地とは真反対の存在です。ボルドーを見ると、丘の上には水はけのよい土地が並び、低地の川沿いには粘土質の土壌が連なっています。つまりボルドーにある2つの土壌を上手に利用するため、特性によりブドウを植え分けたのです。

ちなみにボルドー全体では、粘土質の土壌の方が多く、メルローのほうが多く栽培されています。

 

メルローの味わいは?

プラムのような酸味と香り。ブラックチェリーやブルーベリーのような甘い香り。タンニンは少なく、全体的にまろやかな口当たりで優しい味わいが特徴。そのため、ワイン独特の渋さが苦手といった人にも飲みやすい、穏やかなワインといえるでしょう。

他の代表的な品種との比較で言えば、カベルネソーヴィニヨンはどんな条件でも結果を残す、とにかくやり手の勢いのあるタイプ。ピノノワールは気まぐれで周囲が気を揉み振り回されるけれども、その気難しさに惹かれる小悪魔タイプ。

そんななかでメルローは、光が当たらない地味な作業でもニコニコしながらいつでも全力で精一杯に頑張る。そんな健気なタイプです。

 

メルローが一躍脚光を浴びるきっかけ

長いこと、圧倒的主役であるカベルネソーヴィニヨンの引き立て役であったメルロー。しかしあることをきっかけに、一躍注目を集め主役の座に躍り出ました。それがシャトー・ペトリュスの登場です。

シャトー・ペトリュスとは、ポムロール地方のシャトー。畑の面積が狭く生産本数も少ないため、世界でも最も高価なワインの一つとされています。

 

ペトリュスとメルローのシンデレラストーリー

シャトー・ペトリュスは昔から知られていたわけではありません。初めて日の目を見たのは1889年のパリ博覧会。ここで数々の銘柄を差し置いて金賞を受賞したのがペトリュスでした。ただこの時点では、ごく一部のマニアから注目された程度で、全く飛躍のきっかけにはなりません。

飛躍の時が来たのは第二次世界大戦後。オーナー自ら「ペトリュスこそ最高のワイン」と信じて必死のマーケティングを行なったのです。ただオーナーは他のボルドーの一流シャトーと同じ価格での取引を求めたため、フランスのワイン商は相手にしませんでした。それでも情熱に負けた商人が支援。販路を広げていきます。

さらにニューヨークのセレブが集まるレストラン「ル・パヴィヨン」のオーナーもペトリュスに惚れ込み、来店するセレブたちにすすめました。そのうちに、アメリカの上流階級ではペトリュスを飲むことが、成功の証し。もしくはステイタスシンボルとなり、ペトリュスの名前は爆発的に拡大したのです。

それと同時にメルローにも注目が集まり、脇役でしかなかったメルローが一気に主役級の扱いをされるようになったのです。

 

世界に広がったメルロー

現在メルローは世界各国で栽培される品種の一つとなっています。

例えばカリフォルニアでは、90年代以降栽培面積は爆発的に拡大し、人気も上昇しています。カリフォルニア産のメルローの特徴はとにかく分かりやすく美味しいという点。背筋を伸ばし緊張感の中で飲むのではなく、笑顔で杯を重ねるのに最適です。

また、栽培条件が合っている事から、日本でも最近は注目を集め、次々と優れたワインが生み出されています。一気にスターへの階段を駆け上ったメルローですが、持ち前の健気さは当然ながら顕在です。

 

気取らずにリラックスして楽しむ。そんな時間にピッタリなのがメルローではないでしょうか?

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