混迷を深めるシリア!何故こうなった!?独裁政権と反政府勢力およびイスラム国

Close-up portrait of amazed guy

近年、世界的な注目がされている「シリア・アラブ共和国」。

中東アジアの一国で、地中海に面したこの国は、少し前までは人気の観光地でしたが、最近では残虐なニュースの発信地となっています。
「シリア・アラブ共和国」はどんな国家で、何故こんな事になってしまったのでしょうか。

世界でも有数の歴史がある地域「シリア」

そもそも、「シリア」というのは地名です。その地名を国家の名前の一部に付けたのが「シリア・アラブ共和国」です。

今では一般的に「シリア・アラブ共和国」が「シリア」と呼ばれていますが、この地域は紀元前8000年頃から農作が開始されており「世界で最も古い歴史をもつ大地」とされる歴史有る地域です。

古代オリエントを統一したアケメネス朝やローマ帝国、モンゴル帝国、オスマントルコ帝国など、多くの文化文明に支配された土地であり、多くの歴史が生まれた土地でもあります。

歴史があるからこそ、紀元前10世紀の建築が原型であるアレッポ城など多くの貴重な遺産を有する一大人気観光地でした。

独立後の混乱から生まれたアサドの独裁

1946年に植民地支配をしていたフランスからの独立を果たしたシリア。
紀元前から他国の支配と影響を受け続けていたシリアが独立した後は、様々な宗教宗派・思想の人々が内部対立を深めています。

また、一部他宗教の国民はいるものの、基本的にシリアはイスラム教の国であります。
多様な派閥に分かれるイスラム教の宗派ですが、シリアでは一大勢力である「バース党」がクーデターや暴動を経て統治する事になります。

そもそもバース党とは!?

バース党は宗教の宗派ではありません。「世界をリードしていたアラブの復興」を掲げた政党です。イランのフセイン政権もバース党で、独裁政権ではありましたが、フセインも世俗的な宗教色の薄い政策を打っていました。

しかし、シリアのバース党の内部でも急進派や穏健派など考え方が異なり、党内内紛へ発展しました。バース党内で対立が繰り広げられる中、1971年、クーデターにより、ハーフィズ・アル=アサドが大統領に就任します。

この時から、いわゆる独裁体制が開始されました。

アサドが大統領なので、国際的には彼一人の独裁だと言われますが、バース党の一党独裁体制が正しいでしょう。ハマー虐殺など、反体制側への残虐行為が国際的に非難される中、ハーフィズ・アル=アサド大統領が死去します。

次に大統領となったのは息子のバッシャール・アル=アサド。

彼は大統領になる前はイギリス在住で、優秀で温厚な眼科医でした。奥様も美しく、「砂漠に咲いた薔薇」と称されます。シリア及び世界は元眼科医の若い大統領に期待しました。

「腐敗の撲滅」を、「独裁政治の打破」を、「民主化」を果たしてくれるのではないか、と。この政権交代は「ダマスカスの春」として、国内の熱狂と世界的な歓迎がなされました。

短かった春がもたらした混乱

腐敗撲滅と人材の刷新を目的とした新しいアサド大統領は、古参幹部を次々と汚職などの容疑で逮捕・追放し、若い人材を抜擢するなどしました。

ただ、政治的経験のほぼ皆無な元眼科医の大統領が政治的実権を握る事はなく、現実的には党幹部がバース党独裁支配政治を行っていたのが現実です。

周辺の国家、レバノンやパレスチナのイスラム過激派組織を支援しているとの嫌疑をかけられ、ダマスカスの春以後もシリアは「テロ支援国家」、アサドは「独裁者」と国際的な非難を受けます。

そして、2010年の終わりに、チュニジアから始まった「アラブの春」は、未だ独裁国家のシリアにも飛び火しシリア騒乱が勃発しました。アサド政権の反体制勢力が勢い付く中、社会保障の拡充や内閣改造など妥協案も出すものの、デモは一向に収まらず、遂に武力弾圧が開始されます。

多くの死者が出た弾圧は当然、国際的な非難を浴びました。2011年、日本でもアサド大統領の資産が凍結されます。

シリアの国民は独裁政治の監視下に置かれ、自国メディアは勿論、他国メディアであっても自身や家族が処罰される恐れがある為、本音を話す事は難しいと言われています。この内戦は未だ収束の糸口すら見つかっていません。

内戦の中で生まれた「最悪の組織」

政情が不安定な状態というのは、武装組織を生み出してしまう隙を作り易い環境でもあります。シリアの内戦が生み出したのが、最悪の過激派組織「ISIL」。

複数の日本人も犠牲になり、世界各国でテロを起こし、シリアで支配を続けていきます。シリアの人々はアサド政権と反政府勢力、そしてISILの戦いの中で苦しんでいくのです。

1800万人のシリア国民の約半数が難民、もしくは難民を希望していると報道されており、世界的に受け入れ先を探すのが困難な状態になっています。終わりの見えないシリアの惨状ですが、昔の美しい観光地に少しでも早く戻れる事を願うばかりです。

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