最早「花の都」ではない?テロが多発するフランスの理由と現状

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2015年1月7日、フランス・パリの出版社、シャルリー・エブド本社が武装した複数の犯人によって襲撃を受け、12人の犠牲者が出ました。

それから続発したテロ事件の前にも、亀裂はフランスに存在しており、この亀裂は今後も深まっていく事が予測されます。
フランス、そしてヨーロッパでは一体何が起きていたでしょうか。

どのような経緯でフランスは移民を受け入れてきたのか?

日本人が「フランス人」というと、「白人」という人種を思い浮かべる人も多いかも知れませんが、現実は少々違います。
フランスとは、多文化主義を進めるヨーロッパでも移民の多い国家なのです。

第二次世界大戦後、荒廃した国土と産業、そして多数の青年男性戦死者による被害でフランスは復興の為の「人手」を必要としました。ヨーロッパは多くの都市が戦場となっており、終戦時は瓦礫の中からの復興となっていたからです。

基本的に、移民の流入はアルジェリア・リビア・チュニジア・マグレブ・モロッコといったマグレブ国家をからが多数。主に北アフリカに位置しており、イスラム教が強い国家が中心になっています。

復興後は、当時フランスの低かった出生率にも貢献しました。移民の人々は特に出生率が高い為、出産率が改善されたのです。

このように当時のフランスにはポジティブな面はありましたが、当の移民たちの環境はどうだったのでしょうか?

移民が多いフランスでは、移民の2世3世の活躍も目立ちます。元フランス大統領のニコラ・サルコジや、フランスのサッカー代表だったジダン選手も移民の家系です。

前述のとおり華やかな活躍をする方もいますが、大部分の移民2世3世の人たちはそうではありませんでした。

低賃金でキツい仕事に従事する方が多くを占めており、治安が悪く貧困街ともいえる劣悪な住宅地に集中して居住しています。
賃金格差も激しく、失業率も高いという移民の現実です。このことからわかる通り、不満がある人たちも多くいるのです。

衝突してきたフランス国内

1970年代から既に、移民に対する差別が表面化しており、当時はアラブ人を中心にした暴行事件も頻発していました。貧困層や移民の不満が爆発した代表的な事件が、2005年に発生した「パリ郊外暴動事件」でしょう。

北アフリカ出身の若者3人が強盗事件を捜査中の警察官に追われ、発電所に逃げ込んだ所、感電して死んでしまいました。

この事故が発生したパリ郊外は、移民など貧しい方々が主に居住している地域。事故を機に不満は一気に爆発し、消防や警察への投石や放火などが起きる暴動に発展してしまいます。

その時、当時内務大臣だったニコラ・サルコジが移民に対し「人間のクズ」「ゴロツキ」と発言し、火に油で更に暴徒化。しかし、一般的な国民はこのサルコジの言葉に反発を持つ事は無く、逆に世論の支持を得ます。

その後もフランス国内では、移民の不満も移民ではないフランス人の不満も積もっていきます。

ニコラ・サルコジが大統領時代、この対立構造に対し「フランス人とはなにか」と呼び掛け、タウンミーティングを頻発に各地で開催したことがありました。

この「フランス人とはなにか」という議題に対し、「こんな事を聞く事自体が移民排斥・差別である」と議論にならず、お互いが罵りあうだけで終わる事も多かったようです。

ついに起こった「テロの時代」

そして、2015年1月7日に発生してしまったシャルリー・エブド襲撃事件。

イスラム教の指導者であるマホメッドを侮辱した風刺画を掲載した事を理由に、その週刊誌を発行しているシャルリー・エブドの漫画家や編集者などを狙ったのです。犯人は、アルジェリアからの移民2世であるアルジェリア系フランス人でした。

パリの中心部で起こったこのテロ事件は、ヨーロッパ全土に衝撃を与えました。

ヨーロッパなどの首脳と200万人のパリ市民が共に行ったパリ大行進や、SNSなどに「私はシャルリー」と書き込むなどといった行動で、今回の事件に対するる非難が行われました。

その後、フランス全土でまったく無関係なイスラム教徒に対する嫌がらせ・脅迫が発生したり、逆に、今回を含め過激な風刺画を掲載するシャルリー・エブドに対する批判も発生し、議論を呼びました。また、6月にはチュニジア・クウェート・フランス・ソマリアで同時多発テロが発生、8月にパリ行きの国際特急内で銃撃するテロ事件が発生するなど枚挙に暇が無い状況に発展しました。

イスラム過激派による犯行だとされているテロ事件は、ヨーロッパ全土に広がっています。そんな中、9月にもシリアからの難民が急増するなど移民の流入は停まらず、右派政党の躍進などもからみ対立も収まっていません。

テロと差別が横行する軋轢の中で「多文化主義」を進めてきたフランス、そしてヨーロッパの今後が注目されています。

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