深圳市というメガシティを歩く その1

skyline,cityscape of modern city shenzhen at night

日本から沢山のフライトがある「香港」。その香港から電車で40分ほどの場所に、中国の広東省の隅っこにある経済特区の「深圳(Shen Zhen シェンジェン、日本語の通称読みはシンセン)」と言う街がある。中国中から多くの人々が集まる中国屈指のハイテク産業・貿易・金融業の街である。

深圳経済特区早わかり

深圳は、なんと2000万人近い人口を擁するとんでもないメガシティだ。東京の人口が1200万人程度、首都圏を合わせても数千万人だから、この一つの街の人口がいかに大きいかわかる。

「中国の隅っこの田舎がなぜこのように賑わうようになったのか?」と言うと、ここは中国における資本主義的経済発展の実験場として設けられた特殊な「経済特区(Special Economic Zone)」に指定されているから。70年代末期、中国の首脳であった鄧小平の提唱した「改革開放政策」によって、中国初の「経済特区」の場所として白羽の矢が立った。それまでは広東省の田舎の、何にもない原っぱだったのである。現在、中国の経済特区は5つあり、まず本稿で紹介する広東省の深圳、広東省の珠海(ヂューハイ)、広東省の汕頭(スワトウ)、福建省の廈門(アモイ)、そして海南(ハイナン)省全域となっている。

深圳経済特区は、初期には深圳市の香港よりの一区域だけだった。約400平方キロメートル程度のエリアだけが「経済特区」で、特区内と外との「市内ボーダーライン」を「二線」と呼び、同じ市内なのにパスポートチェックさえ行ってヒトやモノの流れを制限していた。2010年から深圳市全域が経済特区に指定され、一気に特区の面積は1950平方キロメートルにまで拡大した。

初心者は駅前の羅湖商業城から

香港経由で深圳に到着したら、探索のウォーミングアップとしてお勧めなのが「羅湖商業城(Luo Hu Commercial City)」だ。筆者は省略して「羅湖城(ろーうー・じょう)」と呼んでいる。駅ビルにある総合ショッピングセンターだが、食事、マッサージ屋、ニセモノブランド等怪しげなショップ、靴や洋服のオーダーメイド、なんでもござれのてんこ盛りビルで、いつでも大勢のお客さんでにぎわい、テナントの入居率はほぼ100%。ここでは中国の人民元だけでなく、香港ドルや外貨も受けてくれるので、まずは深圳の第一歩としてここを冷やかすのは定番かつお勧めだ。

女性もののバッグは、さすがにニセモノ臭い感じが伝わってくるものが多いが(何しろ安すぎるので)、靴についてはかなり質感が良く、レディメイドにしてもテーラーメイドにしても非常に満足度の高い買い物ができた。吹き抜けの中央ロビーから上を見上げると、ありとあらゆる業種の看板がひしめいていて圧巻だ。体力の無い人は、この羅湖商業城を一巡りしただけでバテてしまうかもしれない。それほどの活気を持った商業エリアで、「深圳の縮図」だ。

深圳を歩いてみよう

羅湖商業城を出て、街を散策する。「深南東路」などの大通りは気持ちいほど真っ直ぐでわかりやすく、地図を見れば迷うことなく移動でき。あきれるほど巨大すぎる駅ビルや、無駄にゴージャスな鏡張りのオフィスビルが林立。深圳で最も高い「京基100」という超高層ビルのあたりまで散歩すれば、あちらこちらに国際的一流ブランドのショップが軒を連ね、お金持ちそうな若い女性たちがおしゃれをし、ショッピングを楽しんでいる様子を見ることができる。高いビルもあれば、なぜか2階建てでやたらと横に長いガラス張りのオフィスビルもあり、日本ではあまり見かけないユニークな形の建物をカメラに収めることができる。

そんな「発展しているなあ」という印象の街の風景があるかと思えば、一筋裏通りに入ると、一気にみすぼらしい雰囲気になり、ボロボロで昔ながらの建物が並び、電気製品転売、入れ墨取り、怪しげなマッサージ店など、様々な庶民相手の商売をしている。香港にもそういった店はあるが、ここ深圳のいかがわしき雰囲気の強度は、香港の比ではない。

バスは快適…そこへ思わぬハプニングあり!

深圳市内をゆっくりと走る市内公共バスに乗ってみる。料金は非常に安く5元ほどで、短距離の移動でも、けっこう遠くへでも色々と使えるので勧めだ。路線図もわかりやすく、初めての日本人でも簡単に利用できる。

さて、筆者がこのバスに乗ってみると、途中で身なりの汚いおじさんが乗ってきてギターを弾き始めた!

これが普通なのかと思いきや、他の乗客の小ぎれいな服装、いかにも真面目な大学生、あるいは仕事の書類を見ながら移動中、といった、日本にもいそうな「普通の市民」の中にまじり、このギターおやじは浮きまくっている。そのギターというのもぼろぼろで、よく見れば弦が何本も外れていて、残った弦も錆びついてまともに音が鳴りそうもない代物だ。それを「ペローン」と音楽にもならない音を鳴らしながら、何かしきりに客に話しかけている。よく聞き取れないが、田舎から出てきたが失業している、哀れんで恵んでくれと言っているようだ。昔で言う傷痍軍人のような感じか。

思えば十数年前の深圳の街には、大量の浮浪児や「わざと手足を斬られた」身障者の姿をした子どもが必死に通行人に金をせがんでいた。今ではすっかり乞食も見かけなくなったが、まさかこんな形で存在しているとは思わなかった。ギターおやじがあまりにツボにはまって可笑しかったので、手持ちのカメラでシャッターチャンスを狙ったが、気づかれてしまった。ギターおやじは怒りだし、筆者にドスドスと迫り寄って、「写真を撮るなら金を払え!無礼者」と厳しい口調で非難し始めた。結局無視してバスを降りたら、相手も降りて追いかけ、延々と後ろから文句を言っていたので多少怖くなった。後から思えば面白い体験だったが、勝手に市民を撮影するのは注意されたい。

 

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