ノーベル賞受賞者・マララさんを攻撃する「パキスタンタリバン」が活動するパキスタンの状況

Terrorist

ノーベル平和賞を受賞したパキスタン人少女、「マララ・ユスフザイさん」。

彼女は16歳の時に彼女の主張に反対している「パキスタンタリバン」に襲撃され、頭を撃たれたが助かったのです。ニューヨークの国連本部での演説が多くの人の心に響きましたが、何故、彼女は襲撃されたのでしょうか。

「パキスタンタリバン」とは何故、生まれたのか。

パキスタンの正式名称は「パキスタン・イスラム共和国」。

インドがイギリス領時代に、ヒンドゥー教とイスラム教で対立が激しくなり、イスラム教徒が多く住む地域を「パキスタン」という形で分離独立したイスラム教国家です。分離独立後もインドとパキスタンの間では何度も戦争が起き、現在も緊張状態は続いています。

また、1978年に勃発したアフガニスタン紛争は、パキスタンのイスラム勢力に大きな影響を与えました。

アメリカのCIAはパキスタン経由でムジャヒディン(後のタリバンやアルカイダとなるイスラム過激派テロ勢力)を援助していたからです。
アフガニスタン国境付近で活動しているのが、「パキスタンタリバン」という武装組織なのです。

「パキスタンタリバン」の目的と活動内容とは?

「タリバン」と聞いて、「テロリスト」や「過激派」といったイメージを思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。「タリバン」とは、パキスタンやインド北部を中心に使用されており、パキスタンの「国語」であるウルドゥー語で「学生」という意味です。

ですから「タリバン運動」とは「学生運動」の事。

基本的に「イスラム思想を世界に広め、イスラム的な正しい生活をしよう」という考え方を持っています。

一般的な国家は自国の「法律」で統治されていますが、イスラムには「シャリーア法」という法律が存在するのです。シャリーアとは、イスラムの経典「コーラン」に書かれている内容を法律・法規にしたもの。ただ、そのシャリーアは国や地域、民族によって微妙に違います。

一日5回の礼拝や断食、喜捨、豚肉の禁止などは基本なのですが、女性の服装や教育の問題などは各国バラバラ。

トルコやエジプトは世俗的で普通に薄着の女性が街中を歩き教育を男性と同じ様に受けていますが、サウジアラビアやイランなどは厳格で服装が乱れていたりすると「宗教警察」に注意されたり逮捕されたりします。

国でも差はありますが、地域でも差が存在します。原理主義的な人たちの多い地域では、かなり厳しいシャリーアが適用され、都市部よりも地方の方が厳格です。

パキスタンでも、近年は都市部を中心に世俗的な所や女性の人権を考慮した考え方が普及してきていますが、識字率の男女格差は大きいです。家からの外出が好まれなかったり、字が読めないだけでなく数を数える事もできず、自分の誕生日すら分からない女性が多く存在します。

厳格なイスラム教国家では、男女が一緒に同席する事が認められず、学校も女の子専用の女子学校が無いと女の子は教育を受けられません。

それでもパキスタンでも近年は女子学校が増加してきています。そんな中2009年、パキスタンタリバンの支配下にあったスワート渓谷の状況をイギリスのBBCのブログに投稿する女の子が現れます。

彼女はマララ・ユスフザイさんという当時11歳の少女。女子学校がパキスタンタリバンによって破壊される現状を世界に訴えたのです。同年、パキスタン政府から「勇気ある少女」として表彰されます。

しかし、2012年、マララさんの活動や思想に反感を持つパキスタンタリバンはマララさんの通っていた中学校からのスクールバスを襲撃し、マララさんの頭部と首に銃弾を打ち込みます。一緒だった同級生2人も負傷。マララさんは一命を取りとめ、その後に世界的な女子教育普及の活動が評価されると、2014年にはノーベル平和賞を受賞しました。

パキスタン政府やパキスタンの大手メディアなどは女子教育の重要性を認識し、彼女を賞賛していますが、マララさんに対し反感を持つ人達も一定数いるのも確かです。

特に、マララさんが欧米の支援で活動している事と、欧米のイスラム圏への空爆の事に対し言及が少ない事が理由となっています。

マララさん襲撃後もパキスタンタリバンは女子教育普及活動をしている人や、教育を受けている女性を標的にした襲撃を繰り返しています。

また、パキスタンの治安を脅かす為の各地でテロ活動も多数実行。市街地での爆破テロや、外国人観光客を狙ったテロ行為を起こす他、2014年には「パキスタンで最も勇敢な警官」として有名なチョードリー・アスラム警視を暗殺。こういった過激な活動はイスラム主義者からも批判される事も多く、女子教育を重要視するアフガニスタンの軍閥指導者から「非道」であると非難された際は、「女が教育を受ける事は死に値する罪」と反発しました。

今後のパキスタンタリバンはどうなるのでしょうか?

過激派テロリストが跳梁跋扈している現在の国際状況。

経済成長著しいパキスタンですが、その経済成長が逆に貧富の格差を生み、テロリストを生み出す土壌にもなっています。

2013年には、アメリカがパキスタンタリバン幹部を拘束したり、最高指導者であるハキームッラー・マフスードを殺害。また、パキスタンタリバンから、最近生まれた残虐非道なテロ集団「ISIL」への人材流出も報告されており、パキスタンタリバン自体は縮小に向かうという見方もされています。

人口が多く、衣料を中心とした産業発展もされているパキスタンは少しずつ良い変化を見せ始めました。

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