ブラジルの国民的飲料ガラナ

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ブラジルには、たくさんの嗜好飲料があります。サトウキビの蒸留酒ピンガ、都会で大人気のビール、本場のブラジルコーヒー、南部で飲まれるマテ茶など、枚挙にいとまがありません。

しかし、ガラナほどブラジル人に愛されている嗜好飲料は他にはないでしょう。その消費量はなんと1日に200万杯と言われており、コカ・コーラを凌ぐ人気を誇っています。

ガラナとは

ガラナはムクロジ科ガラナ属のつる植物で、アマゾン川流域が原産地です。ガラナの実には、カフェインの一種であるガラニンをはじめとして、サポニン、タンニンなどの成分が多量に含まれていて、むくみの予防・改善、運動能力の向上、疲労回復に効果があるとされています。また近年では、アルツハイマー病の予防、肥満の予防・改善にも効果があるとして注目されています。

ガラナは、アマゾン川流域に居住する先住民によって古くから利用されてきました。先住民たちは、ガラナの実を乾燥させて粉末にしたものをパンにして食べたり、湯に溶かして砂糖を混ぜたものを飲料にしたりしていました。

もちろん薬効も知られており、ガラナは、眠気覚まし、滋養強壮薬、胃腸薬などとして用いられてきました。さらには、取引がうまくいくとか、女性をめぐる争いに勝つといった呪術的効果もあるとされていました。

 

ガラナの起源神話

ガラナが先住民にとってとても重要なものであったことは、神話からうかがい知ることができます。例えば先住民サテレ・マウエ族には、次のような起源神話があります。

「オニアムアサベという娘が二人の兄と一緒に暮らしていました。娘はパラ栗を育てる農園を管理し、薬草から薬を調合する役割を果たしていました。しかしある日、蛇が彼女を妻にしたいと思い、股間に侵入してしまいました。

彼女は妊娠し、男の子が生まれました。彼女は、その男の子のためにパラ栗を植えました。パラ栗は大人になってからでないと食べてはいけないという掟があったのですが、男の子はそのタブーを破ってパラ栗を食べてしまいました。それを見張り番の動物たちが見つけ、彼を殺し、墓に埋めてしまいました。

その死体の左目からは偽りのガラナ、つまり実がならないものが生えてきて、右目からは本物のガラナが生えてきました。その後この墓からは、サルやイヌ、ブタ、そして最後に人間の先祖が生まれました」

 

ガラナの商業販売

ガラナの商業的販売が始まったのは20世紀初めのことです。ガラナの実には渋味と苦味があるのですが、アンタルチカ社がこれを取り除くことに成功し、1921年にガラナ飲料の生産を開始しました。ほどなくして、ブラマ社もガラナ飲料を販売しました。

長い間、アンタルチカ社とブラマ社はライバル企業でしたが、1999年、両社は合併してアンベブ社となり、ラテンアメリカ最大の、そして世界第5位の飲料メーカーとなりました。さらに2001年、同社はブラジルサッカー連盟と年間1,000万USドル、18年間という異例の長期スポンサー契約を締結しました。同社が製造販売する「ガラナ・アンタルチカ」は、サッカーブラジル代表の公式飲料となっています。

ガラナが巨大企業を育て、「国技」のサッカーとも結びつく。ガラナは文字通り、ブラジルの国民的飲料なのです。

 

ガラナと日本

日本では、ガラナは長い間「精力剤」としての認知度が高かったように思われます。しかし先に述べたように、ガラナには様々な薬効があり、現在ではそちらの方で注目を集めています。

ところがこれとは別に、日本でもガラナ飲料が古くから飲まれている地域があります。それは北海道です。

1958年、アメリカのコカ・コーラに対抗するため、全国清涼飲料協同組合連合会がガラナ飲料「コアップ」を開発しました。開発の際には、ブラジル大使館の指導を受けたそうです。コカ・コーラの販売が他の都府県に比べ遅かった北海道では、コカ・コーラより一足先にコアップが普及しました。そのため今でも、北海道ではガラナ飲料は根強い人気を保っています。現在北海道では、コアップだけでなく、大手飲料メーカーが北海道限定品として製造したガラナ飲料も販売されています。

ブラジルのガラナ飲料も北海道のガラナ飲料も、現在はインターネット通販で手に入れることができます。興味のある方は一度飲んでみてはどうでしょうか?

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