鉱物入門!?誕生石秘話1月の誕生石ガーネット

Garnet

自然の事物に何らかの意味を与えるという風習は人類古来のものです。

身近な例としては「花言葉」があります。花言葉といえば花たちに象徴的な意味を持たせるために、言葉を与えたものです。たとえばオリーブは「平和」、バラは「愛情」、ちょっと面白いところではスズラン「戻ってきた幸福」、フクジュソウ「悲しい思い出」などなど。(以上ラトゥールとグリーナウェイの花言葉辞典に準拠)

誕生石これと同じような感じのものに1月から12月までの各月にそれぞれ因んだ宝石を定めた「誕生石」というものがあります。例えば1月はガーネット(柘榴石)、5月はエメラルド(翠玉、緑玉)、7月はルビー(紅玉)といった具合です。

さて今回は1月の誕生石であるガーネットについてどのような秘話があるのか見てみましょう。なお誕生石は1912年に米国宝石商組合で定められたものがベースになってはいますが、その種類については国によって若干の違いがあるようです。

 

ガーネットってどんな石?

宝石に詳しい方であればガーネットについては特に説明を要しないと思いますが、ここではそうでない方の為にそもそもガーネットというのはどんな石なのかといったところから見ていきたいと思います。ガーネットは柘榴(ざくろ)に似ているところから日本では柘榴石と呼ばれますが、このガーネットというのは一つの鉱物を指す名称ではなく、実はいくつかの鉱物をまとめて表すグループ名です。鉱物学的には14種類のケイ酸塩鉱物の総称となっています。

そして、ガーネットというグループ名がどんな化学成分を含むかによって個々の鉱物名に分かれてくるわけですが、その中では「アルマンディン(鉄礬柘榴石)」と呼ばれるガーネットが最も代表的で、これは主成分として鉄とアルミニウムを含んでいます。透明度が高いものは宝石に利用され、濃赤色の美しい輝きを呈します。硬度の高さから研磨剤としてもかつては広く利用されてきました。

他にもガーネットにはいろいろな種類がありますが、例えばパイロープ(苦礬柘榴石)はマグネシウムとアルミニウムを主成分とするガーネットです。他にもアンドラダイト(灰鉄柘榴石)はカルシウムと鉄を主成分とし、またグロッシュラー(灰礬柘榴石)はカルシウムとアルミニウムを、スぺサルチン(満礬柘榴石)はマンガンとアルミニウムをそれぞれ主成分とする、などなど。色も緑や褐色など様々なものがあります。
red garnet mineral background

そして現在、主に1月の誕生石として利用されているのはアフリカ産のパイロープとインド産のアルマンディンだそうです。ちなみにガーネットの石言葉というのもあって「真実・友愛・忠実・勝利」などを象徴しているとのこと。

 

ガーネットにまつわる秘話

ガーネットは古来より神聖な石として世界の各地で畏敬の対象となってきました。ヘレニズム時代(B.C.334~B.C.30)から大々的に人気を集め、東方遠征したアレキサンダー大王がインド産のものを気に入り自国に持ち帰ったと言い伝えられています。また古代エジプトではガーネットに彫刻を施したものが護符とされたといいます。

ローマ時代になりその人気はいったん低迷しましたが、中世期に血のような赤色をしたパイロープ(「1.ガーネットってどんな石?」にて既出)の発見により人気が再興します。中世ヨーロッパではガーネットの赤色が血の結束を表すとされ王家の紋章に用いられました。また、十字軍の兵士は戦場に赴く際に甲冑にガーネットをはめ込みました。ガーネットが自らの身を守ってくれると信じていたのです。

その後、近世にかけてもガーネットは流行の宝石としての地位を保ち続けますが、チェコスロバキアのボヘミアで盛んに宝石用としてパイロープが採取され、ボヘミアン・ガーネットとして有名でした。今ではボヘミアン・ガーネットは惜しくも絶産となっており、ボヘミアン・ガラスで作られたガーネット風アクセサリーでその魅力を窺い知ることができます。

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