虹の色はいくつある?

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「虹の色はいくつある?」と聞かれたら、なんと答えます?

これを読んでいるほとんどの人は「7色」と答えるのではないでしょうか。赤、橙、黄、緑、青、藍、そして紫。これが私たちの知る、虹の7色です。しかし、最近話題になっている、性的少数者(LGBT)運動のシンボルのレインボーフラッグは、赤、橙、黄、緑、青、紫の6色です(図参照)。

虹の色はいくつある?

さらに、江戸時代までの日本では、虹の色は赤、黄、緑、青、紫の5色と見るのが一般的でした。これは一体どういうことなのでしょうか?

虹を7色にしたのはニュートン

日本の人たちが虹を7色と見るようになったのは、実は明治以降です。そしてそのルーツはなんと、かの有名なイギリス人科学者、アイザック・ニュートンの研究にあります。

1671年、ニュートンは虹の色を7つとする論文を発表しました。彼が、虹を赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色と決めた背景には、当時の西洋に独自の考え方がありました。というのも、17世紀の西洋社会では、7は特別な数字と考えられていたのです。聖書にも7はたくさん出てきますし、西洋音楽のオクターブもドレミファソラシの7音です。こうしたことからニュートンは、虹も7つの色からできている、と考えたのです。

ニュートンのこの考え方は、江戸時代末期以降に盛んになった西洋科学の輸入とともに日本に伝わり、その後、学校教育の場で広く教えられるようになりました。こうして今の私たちは、虹を7色と捉えるようになったのです。

虹を6色にしたのは「教育的配慮」

西洋の中でも、ニュートンの影響を特に強く受けた英語圏では、つい最近まで、虹は日本と同じ7色でした。しかし1941年、当時のアメリカ科学会の大御所であったバーカーが、自分の書いた教科書で、虹は赤、橙、黄、緑、青、紫の6色で十分であり、藍色は必要ない、と述べたのです。その理由は、虹を7色に区別するのが子供たちには難しい、という教育的配慮からでした。そしてこれを機に、アメリカやイギリスなどの英語圏では、虹は6色になったのです。LGBT運動のレインボーフラッグが7色でなく6色なのは、こうした事情によるものです。

世界各地の虹の色

このように、虹の色の数は歴史とともに変化します。しかしそれだけではありません。虹の色の数は、国や地域によっても異なるのです。

すでに述べたように、現在の日本では、虹は赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色、アメリカをはじめとする英語圏では、赤、橙、黄、緑、青、紫の6色です。ところがメキシコのマヤ族では、黒、白、赤、黄、青の5色に、アラブ地域では、赤、黄、緑、青の4色になります。

もっと少ないところもあります。台湾のブヌン族は3色(赤、茶、青もしくは赤、黄、紫)、モンゴルのブリヤート族も3色です(赤・黄・青)。さらに、ケニアのマサイ族(赤、白)、シベリアのエヴェンキ族(赤、青)、インドのバイガ族(赤、黒)のように、2色しかないところもあります。

文化、歴史、虹の色

本来、虹の色は赤から紫へと連続的に変化しており、どこからどこまでが赤で、どこからどこまでが青と、明確に区切れるものではありません。すでに見たように、ニュートンの虹を7色とする「科学的」な研究も、当時の西洋の文化的背景と無縁ではありませんでした。また学校教育を通じて、日本では虹が5色から7色に変化し、英語圏では7色から6色に変化しました。つまり、虹の色の数に客観性はない、ということです。虹がどのように見えるのかは、ひとえに「文化」の問題であり、それは「歴史」によって変化するのです。

文化や歴史は、人間のものの見方に大きな影響を与えます。虹の色はその典型例と言えるかもしれません。

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